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当会からのメッセージ

 

 

老人の専門医療を考える会
会長  天本宏

2015年7月9日に開催された総会において、再度会長に就任することになった。

1985年頃の当会が発足した時代は、老人医療費が無料化され、命は地球より重たしという考え方に添い、救命や延命の医療を優先し、治療第一主義、疾病医療を老人にも当てはめた時代であった。部分最適を追求し、データを追い、さらに医療行為を追加し、過度な医療のあらゆる後始末から、薬物の限界、治療の限界を突きつけられた。いや、医原病を新たに製造していたとも言えるような、廃用症候群による生活能力の低下を招く悪循環も生まれ、何を求めて医療を行っているのかと心底悩んだ。人を、本人の意向を、尊厳を無視していることに気づき、その当時の迷える子羊どもが自然に集まり、思いを語り、考え、新たに「老人の専門医療を考え、老人に相応しい医療を現場から創造、発信していこう」と立ち上がった。理念を追求し、老人医療のあり方を考え、議論し、現場をいかに変革していくかの構想を練り、実際にそれを実践してサービスモデルを提示し、制度に反映し、普遍化していった。

これまでの30年を超える実績と成果は、「老人の専門医療を考える」会としての役割を果たしてきたと会員一同自負している。現在では、老年医学会、老年社会学会も医療・介護の現場や患者のニーズに対応し、その使命を果たしている。

そして今、当会の30年を振り返り、会の存続、使命をみんなで再度話し合い、考えた。

世界は、これからなおいっそう人類に例を見ない長命の、超高齢社会を迎える。しかも一人ひとりの高齢者像も大きく変わり、家庭環境の変化はもとより、社会環境も大きく異なる超高齢社会を迎える。個々の対象者を取り囲む外部環境の変化に合わせサービス形態を整えていくことや、サービス提供側の変容は不可欠である。当然のことながら、30年前とは違う社会の、各種学会の,制度の、これからの時代を予測した対応を進めてきたが、集約的、一律的、一方的提示にならざるを得ない面があったことも否めない。

一方で、これからの時代には多様な選択肢が、個別性が、利用者本位がさらに要求される。生涯を自立、自尊、自在に過ごせる日本文化を創造し、世界一の長寿社会を目指していくチャレンジ、浪漫を持ち続けていきたいというのが当会の総意であった。「より実践者の立場から、よりポリシーを重視した立場から、より自分、つまり老いていく立場から」といった視点で「老人の専門医療を考える」会の使命が継続していることを再認識し「会の存続」にいたった。

何かを提案、制度を引っ張るなど肩肘張らず、会員一人ひとりが主体的に語らい、ともに考えていく会にしていきたいものである。

   

 

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老人の専門医療を考える会 JAPAN ASSOCIATION FOR IMPROVING GERIATRIC MEDICINE
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