こぼれ話
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老人医療NEWS第50号 |
当院は神奈川県の湘南といわれる所に位置している。湘南というのは相模湾に面した茅ヶ崎市・藤沢市・鎌倉市の比較的南側と理解している。湘南という名称は当地でも人気があり、平塚市や横須賀市、大磯町までも湘南という人が多いようだ。なぜ、みんな湘南という名称が好きなのか、私なりに考えてみると、湘南という言葉の響きに“明るい”“さわやか”と感じる人が多いのではないか、それゆえ湘南には一種のブランドがあるようである。
湘南という所をあまりご存知ない人の為に簡単に紹介しておくと、地理的には20分〜30分で横浜に出られ、東京までも1時間位の便利な所に位置しており、もちろん海に近く、箱根も近い。気温は温暖で雪も少なく、一言でいえば大変住みやすい所といえる。またマリンスポーツや釣りにも適しており、遊び場所も多く、老若男女を問わず人気がある。何より湘南ぽいのはサーファーと呼ばれる人が多く、風の良い日の海岸は、よくぶつからないなと思うほど混み合っていて、遠めに見るとオットセイが群をなしているようで、湘南らしい景色である。一般にはサーファーというと若者というイメージがあるが、40代以上のサーファーは珍しくない。しかも若者と中年のサーファーが食事を楽しんだり遊んだりするのは湘南海岸の特徴のひとつと思うし、見ていてここちよい風景である。海岸通りに続く道にはサーフショップといわれるサーファーご用達の店が多く、サーフボードやボディーボードなどが所狭しと並んでいる。
私の家の近所にもサーファーショップが並んでいるが、『湘南ボーイ』とはこういう所で育った人達のことかなあと『にわか湘南おやじ』である私は自分の若い頃を思い出し、かなりギャップを感じている。
湘南に生まれ育った人はずっと湘南に住みたいようで、東京にも近い為か、東京にあこがれもコンプレックスもないようである。反対に東京の私の知り合いの多くは湘南にあこがれているようで、『いい所にお住まいですネ』とよくいわれる。私は、京都生まれの東京育ちで、大学時代よく湘南の海にドライブに来ていて、いい所だなあと漠然と思っていたが、まさか自分が『にわか湘南オヤジ』になりマリンスポーツが好きになるとは思わなかったが、今は東京より湘南に住んでいたい。
湘南のイメージを良くしたのは古くは石原裕次郎・加山雄三氏に代表されるマリンスポーツの隆盛、最近ではサザンオールスターズの桑田佳祐氏の音楽であろう。20数年ぶりかの茅ヶ崎でのコンサートの地元のフィーバーぶりは本当にお祭りさわぎであった。売り出されたチケットは勿論予約で満杯で、抽選の倍率は何倍にもなったと聞いている。8000円の入場券はまさにプラチナチケットとなり、金券ショップやインターネットの取り引きで何十万円という値がついたようである。
運良くコンサートが見られた友人に聞いてみたら、歴史に残るようなコンサートだったとのことであった。(チョットうらやましい!)
茅ヶ崎という町を全国レベルで有名にし、湘南のイメージアップに貢献したとの事でサザン通りなる名称に変更した商店街もある。ちなみに加山雄三通りや通称サーファー通り等の道路もある。
こういった一連の出来事により、おしゃれな湘南ブランドは生まれたのであろう。かくて湘南とは思えないような遠い所のマンションにも『湘南』とつけている所はごまんとあるし、おみやげや食べ物にも『湘南』の二文字をつけているものは多い。湘南ビール・湘南アイス・湘南まんじゅうetcあげたらきりがない。
小生の病院も湘南長寿園病院と『湘南』をつけることにより、どこにあるかがわかるようにして湘南ブランドを利用させてもらっている。
湘南ブランド ありがとう! (12/9)