平井基陽 |
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皆様、こんにちは。当会の会長を仰せつかっております平井でございます。今日は土曜日の午後でございますが、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。 今、山上先生から、今回のテーマが「終末期をどう生きるか」ということを発表していただきました。私どもの「老人の専門医療を考える会」は、昭和58年(1983年)に結成いたしました。会員は非常に少なく、60にも満たない任意の団体でございます。当会を結成以来、終始一貫掲げてまいりました基本的な理念と申しますか、目標というのは、老人医療をよくしたい、そして、とにかく老人医療に専門性をということと、ただひたすらに老人医療の質の向上、あるいはサービスの向上ということです。この全国シンポジウムも、結成以来、終始一貫、「どうする老人医療これからの老人病院」というテーマで行なってまいりました。そして、サブテーマとしまして、そのときそのときの重大と思われる事柄を取り扱ってまいりました。 実は、この終末期医療あるいは終末期に関連いたしましては、13回目の平成9年に、「高齢者の終末期医療」というテーマで、このガスホールでシンポジウムをさせていただきました。そして、その翌年の平成10年には、回数的には15回目ですが、「高齢者の終末期医療パート2」ということで、同じテーマで開催させていただきました。 今回、約7年、8年経過して再び終末期というのを取り上げた背景を申し上げます。国の終末期医療のあり方検討会というのも、実はすでに4回開かれているわけですが、終末期というと、どうしても悪性腫瘍の末期に代表される終末期のあり方というのが主なテーマでございました。私どもが日常、診療あるいは医療をしておりまして、終末期と申しますのは、老人医療の範囲、あるいは高齢者に深く関わるテーマであります。「終末期」という言葉には少し抵抗を感じるのですが、最近では「エンド・オブ・ライフ」ということで、「晩年期」とか「最終章」というような言葉も使われているようです。そして、終末期医療ということでいきますと、医療の提供側、あるいはサービスの提供側の発想でございました。しかし、今回は、終末期をどう生きるかを利用者の立場に立って考えてみたいということがございます。 もう一つの、「終末期をどう生きるか」ということを取り上げた理由といたしまして、介護保険制度が始まり、いろいろなサービスが出てきております。在宅でいろいろな医療・介護サービスを受けられているのですが、どこの施設も、あるいはどこのサービス提供者も、終末期ケアを提供するということを盛んに言われております。そのようなところで、終末期をどのように受け止めればいいのか、あるいは、私どもサービス提供者側といたしましては、もう一度サービスの提供の仕方ということを、利用者の皆様、市民の皆様方と一緒に考えて、いろいろなご示唆なりをいただき、それを糧にして、よりよく、より質の高い老人医療の実践を目指したいというように思います。本日は利用者の方もいらっしゃると思うのですが、どのようなことでも結構ですので、いろいろなご発言を賜ればと思います。 今回のシンポジウムは、さまざまな立場で終末期あるいは人生の最期に関わっていらっしゃる専門家の方、例えば、医師、ソーシャルワーカー、看護師。そのような方々に、現場からの報告も含めてお話しいただいたあと、少し休憩をいただいて、4名の方をシンポジストとして、齊藤正身先生の司会でシンポジウム形式で進めさせていただこうと思っております。 今日は、ほんの数時間でございますが、有意義に過ごしていただければと思います。そのような願いを込めて、ただいまから始めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。 |