・職員意識調査によりチェックする
2. 車椅子や歩行器が利用可能な構造になっていますか 。
・院内の構造をチェックする
3. 病棟の浴室は障害者にとって適切ですか。
・病棟単位でチェックする
4. 廊下、階段、トイレ、浴室等に手すりが設置されていますか。
5. トイレが容易に使用できるよう、配慮がされていますか。(配置場所や数において)
各部屋についている
2〜3部屋に1か所ついている
6. 障害者でも容易に使用できるトイレ、洗面設備が設置されていますか。
・障害者用トイレは少なくとも1病棟に、平均2か所以上あれば(a)、1か所以上あれば (b)、1か所未満は(c)とする
7. ベッドの両側に車椅子の入るスペースが確保されていますか。
・車椅子の入るスペースとは片側、少なくとも1m以上のスペースが得られていることを指す
8. 患者の状態に応じたベッド(ギャッチ付き、高低調節付き等)を使用していますか 。
9. 患者の状態に応じて、エアーマット、体位交換マット、等が用意されていますか 。
10.ナースコールが各病室、各ベッドに設置されていますか。
・きちんと鳴るかどうかもチェックしてみる
11.気分不快時に対応できるよう、緊急連絡装置がトイレや浴室に設置されていますか。
・操作性をチェックする
(F−1〜11 解説) 加齢により、あるいは疾病や障害によって身体的、精神的機能が低下した老人を対象とする老人病院の構造、設備、器具は、まず、患者の苦痛、不安を軽減し、快適性・安全性を高めると同時に、残存能力の活用により自立を助ける視点から整備されるべきである。自立度が高まることは、患者にとっての満足を生み、職員の労力も結果的には軽減することでもある。看護、介護の人手の充実なくして、QOLを高めることはできないとしても、構造、設備、器具の整備がなければ、QOLが高まらないのも事実である。
12. 酸素吸入器、吸引器は十分に備えられていますか。
・配管のみの場合は、1ランク下げる ・移動式の吸引器等が十分備えられていれば1ランク上げる
(F−12 解説) 老人病院の場合、突然の心停止や血圧低下等の急変、あるいは誤嚥による窒息等も稀ではない。そして、その対応は一瞬を争うことがあるゆえに、酸素吸入器、吸引器はいつも手近に欲しい。使用頻度としては吸引器の方が高い。
13. 冷暖房などの空調設備が、全館に設備されていますか。
(F−13 解説) 高齢者では体温調節機能が低下しているため、外気温の変化にうまく対応できない例が珍しくない。 また、快適な空調は患者の活動性を高めることができる。
14. 食堂やデイスペースなどが設備されていますか。患者一人当たりに確保されているスペースは、
・食堂、デイスペースの使用を妨げる物品の専有する面積は除いた部分で計算する
(F−14 解説) 在来型のわが国の病院ではベッドから離れても過ごす空間がないため、患者は終日ベッド上で横臥し、そのうち自力では動けなくなる例が多かった。食堂やロビー等の形で空間が確保されなければ、人手をかけても寝たきり起こしが患者の苦痛を増すだけということにもなりかねない。
15. 医療相談室が設備されていますか。
(F−15 解説) D−5 解説参照
16.患者が家族とくつろげる場所は確保されていますか。
・部屋またはコーナーの大きさは、一か所につき少なくとも5u以上であること
(F−16 解説) 老人病院の場合、患者と家族が一緒に過ごせる場所の確保にはもっと努力が払われてよいし、満足度を高めるのにきわめて効果的である。面会に来ても、ベッドの脇や、会話の内容がすべてもれてしまうような場所で過ごすのではよい思い出を残すことは難しい。持参した食べ物が簡単に温められ、遠慮なく楽しめるような空間と雰囲気があるとよい。
17.スプリンクラーは設置されていますか。
(F−17 解説) 自力による移動能力の低下している高齢者の著しく多い施設では、災害時、特に火災時の対応は困難をきわめる。ベランダやスロープの設置もさることながら、実際にはスプリンクラーによる初期消火しか効果はないと思われる。(D−12解説参照)
18.霊安室は次の条件を備えていますか。
イ. 10u以上の大きさ ロ. 清潔で落ちついた雰囲気 ハ. 十分な空調と換気 ニ. 外部から出入りしやすい位置 ホ. 外線の通じる電話の設置
(F−18 解説) 老人病院では患者の大部分の人は時期のずれはあっても、死が予測されている。安らかな死の延長として霊安室のイメージもきわめて大切である。入院中の対応はよかったが、霊安室がみじめで病院への印象が悪くなるケースも少なくない。霊安室の整備は死者への、そして家族へのサービスの総決算である。
・個室で死を迎え、そのままお見送りする場合は、その個室の状況について評価する